第28回大動脈ステントグラフト研究会
開催概要
当番幹事ご挨拶
第28回大動脈ステントグラフト研究会を2025年11 月8日土曜日にハイブリッド形式で開催させていただきます。
本会は大動脈疾患に対する血管内治療の症例提示をいただき、施設・グループを超えて忌憚ない意見交換が行われます。“してやったり”の症例もあるでしょう。痛い思いをした症例もあるでしょう。他の人が思いもつかなかった工夫で治療を完遂した症例もあるでしょう。それらをご発表いただき、同志による熱いディスカッションが行われることで参加した医師は新たに多くのことを学び、次の診療に生かすことができます。今回もそのような大動脈ステントグラフト治療に関する多数の演題をご発表いただけることを楽しみにしています。
今回の研究会では「分枝血流温存」をテーマのひとつとしたいと考えています。ご存知のように2006年に企業製ステントグラフトが薬事承認を得て以来大動脈血管内治療は目まぐるしい躍進を遂げ、現在大動脈疾患の1st line治療となっています。しかしながら、唯一の本邦製デバイスであるNajutaを除き分枝血流を温存可能なデバイスは本邦では承認されていません。逆に本邦を除くほとんどの国では使用可能で、血管外科領域学会での大動脈疾患に関する研究報告の多くはそれらに関するものであり、残念ながらここ数年我々は議論に入ることすらできずに過ごしてきました。しかし遂に弓部用の分枝付きデバイス、さらに胸腹部用の分枝付きデバイスの承認が見込まれる時がやってきました。それを目前として、適応外使用を含むことにはなりますが、現状での各施設の工夫をご発表いただきたいと思います。とはいえあくまでも発表演題を決めていただく一助となればとのテーマ設定ですので、それにとらわれずお気軽に応募ください。
さらにこの領域に関するレジェンドのおひとりでもある赤穂中央病院の北川敦士先生に「欧米におけるFene/branch EVARの現況と本邦での期待」をテーマに特別講演をお願い致しました。北川先生はこの領域の世界的パイオニアである故Greenberg先生に師事した経験をお持ちの先生です。きたる分枝血流温存時代に向けてそのご経験を知ることは、必ずや我々の知見を広げてくれるはずです。是非お楽しみください。
万葉の都奈良で、みなさまとお会いできるのを楽しみにしております。
第27回大動脈ステントグラフト研究会
当番幹事 坂野 比呂志
名古屋大学大学院 血管外科