ご挨拶
第15回視野画像学会学術集会を2026年5月16日(土)から5月17日(日)まで、東京慈恵会医科大学にて開催させていただくことになりました。
このような機会を頂きましたこと、大変光栄に感じますとともに、学会会員の皆様に心より感謝申し上げます。
今回のテーマは「視覚のファントム」と定め、視覚の機能と構造を評価する我々の科学的追求において、脳内で生成される「視覚」の質が、患者様の認識にどのように影響しているかを探求します。従来の視野検査や画像診断の結果からだけでは、患者さんの行動を予測することが困難である場合が少なくありません。そこで、今回は脳内での視覚の生成過程と患者さんがどう感じているのかというところに焦点を当て、視覚というものを考えようということにいたしました。視野障害を負った患者さんが実際にどのような世界を生きているのかを考えることが、より患者さんに寄り添った眼科医療を実現するものと確信します。
この観点から、北里大学の庄司信行教授による「緑内障性視野障害のファントム」という題でのご講演を予定しております。また、シンポジウムやセミナーも同様のテーマで企画しております。さらに、検査結果に現れるアーチファクトが診断の誤りを招く「ファントム」として、これを適切に理解するためのコーチングセミナーも実施する予定です。
人間の視知覚のメカニズムを解明するためには、生身の人間の視覚を機能と構造の両面から探求することが不可欠です。さらにテクノロジーの進展がその助けになることは言うまでもありません。本学術集会が、それぞれの専門家が一堂に会し、活発な議論を交わす場となることを期待しています。この学術集会を通じ、我々の直面する課題に対する新たな解決策が見出され、参加される皆様にとって有意義な変化をもたらす気づきの源となることを願っております。
第15回日本視野画像学会学術集会
会長 仲泊 聡
東京慈恵会医科大学 眼科学講座