研究活動
大腿膝窩動脈のステント内再狭窄病変に対するエキシマーレーザーを用いた血管内治療の後方視的研究 (GARLIC研究)
Multicenter reGistry Aiming Retrospective analysis of excimer Laser angioplasty for In-stent restenosis/oCclusion in femoropopliteal segments
目的と意義
本研究の目的は、大腿膝窩動脈領域のISRおよびISOを有するLEAD患者において、ELを使用したEVTの臨床成績を後方視的に評価することである。
本研究を実施することにより、ISRおよびISOのEVTにおいてclass IIaで推奨されているELの実際の治療成績を検討することにより、その有効性および限界が明らかとなり、今後の上記病変の治療方針を選択する上で大いに役立つものと考える。
背景
近年の高齢化及び糖尿病それに伴う慢性腎不全 (維持透析含む)の増加に伴い、下肢閉塞性動脈疾患(以下LEAD: lower extremity arterial disease)を発症する患者が増加傾向である1)。大腿膝窩動脈病変に対しカテーテルを用いた血行再建 (以下EVT: endovascular therapy) が広く普及しているが、遠隔期にステント内再狭窄 (以下ISR: in-stent restenosis) を呈することが少なくない。同病変はカテーテル治療での再治療が難しいと報告されており、2018年に発表された米国のガイドラインでエキシマーレーザー (以下EL: excimer laser) が治療の補助デバイスとしてclass IIaで推奨された2)。ガイドラインの根拠となった研究は単純なISRを対象としたもの、少数例のステント内再閉塞 (以下ISO: in-stent occlusion) を対象としたものが中心だが、近年で大腿膝窩動脈領域の治療デバイスは多様化しており、ISR/ISOの形態もより複雑になっている3-4)。近年の実臨床データはほとんど検証されていない。
研究デザイン
多機関共同後ろ向き観察研究
研究期間及び目標症例数
研究期間 | :研究機関の長の許可日~2024年12月31日まで (2020年6月1日から2023年04月30日までの期間に研究参加施設において上記治療を施行した患者を対象とする。) |
目標症例数 | :200例 |
研究の実施体制
代表者
堀江 和紀
仙台厚生病院 循環器内科
研究顧問
飯田 修
大阪警察病院 循環器内科
データセンター
- 堀江 和紀
- 仙台厚生病院 循環器内科
統計解析責任者
- 髙原 充佳
- 大阪大学大学院医学系研究科 病院臨床検査学講座
研究参加機関および研究責任者(順不同)
- 原口 拓也
- 札幌心臓血管クリニック 循環器内科
- 新谷 嘉章
- 上尾中央総合病院 循環器内科
- 金子 喜仁
- 春日部中央総合病院 循環器内科
- 真壁 伸
- 東京蒲田病院 循環器内科
- 鈴木 健之
- 東京都済生会中央病院 循環器内科
- 大西 祐子
- 平塚共済病院 循環器内科
- 吉岡 直輝
- 大垣市民病院 循環器内科
- 小林 智子
- 京都桂病院 循環器内科
- 池岡 邦泰
- 国立大阪医療センター 循環器内科
- 岡本 慎
- 関西ろうさい病院 循環器内科
- 深井 邦剛
- 近江八幡市立総合医療センター 循環器内科
- 滝内 伸
- 東宝塚さとう病院 循環器内科
- 島 裕樹
- 倉敷中央病院 循環器内科
- 緒方 健二
- 宮崎市郡医師会病院 循環器内科
- 髙原 充佳
- 大阪大学大学院医学系研究科 病院臨床検査学講座
参考文献
- 1) Norgren L, et al. J Vasc Surg. 2007;45:S5-67.
- 2) Feldman DN, et al. Catheter Cardiovasc Interv. 2018;92:124-140.
- 3) Gandini R, et al. J Endovasc Ther 2013;20:805–814.
- 4) Dippel EJ, et al. JACC Cardiovasc Interv 2015;8:92–101.
発表論文
準備中