研究活動
大切断・保存的治療を含む血行再建以外の治療方針を選択した包括的高度慢性下肢虚血における臨床経過に関する検討 (AMPERE研究)
(Clinical outcome of patients with chronic limb-threatening ischemia treated with non-revascularized strategy including major AMPutation and consERvativE therapy)
目的と意義
本研究の目的は、創傷を有するCLTI患者において大切断・保存的治療を含む血行再建以外の治療方針を選択した患者の予後を明らかにすることである。
本研究を実施することにより、創傷治癒を目的とした血行再建が困難であり、大切断・保存的治療を含む血行再建以外の治療方針を選択したCLTI患者の予後が明らかとなり、今後治療の選択を迫られた際の判断材料として大いに役立つものと考える。
背景
近年の高齢化及び糖尿病それに伴う慢性腎不全 (維持透析含む)の増加に伴い、下肢閉塞性動脈疾患(以下LEAD: lower extremity arterial disease)の最重症型であるCLTI患者は増加傾向である1)。本邦のCLTI研究は、血行再建術を行ったCLTI予後調査が多く、血行再建適応外と判断され保存的治療を選択されたCLTI予後調査は少ない。実臨床では、創傷治癒を目的とした血行再建が困難なCLTI患者は少なくない。血行再建以外の治療法は、大切断もしくは緩和治療を含む保存的治療である。これらは創部の感染制御・疼痛緩和やのために施行されるが3)、これらの治療を受けたCLTI患者のQOL、ADL、予後に焦点を絞った研究は少ない。
そこで本研究では、血行再建以外の治療方針を選択した患者を前向きに登録し、その予後について明らかにすることを目的とする。
研究デザイン
多機関共同前向き観察研究
実施期間
研究機関の長の許可日~2029年3月31日まで (症例登録期間:研究機関の長の承認後~2025年3月31日まで) |
予定症例数
400例 |
研究の実施体制
研究代表者
畑 陽介
関西労災病院 循環器内科
研究顧問
宇都宮 誠
TOWN訪問診療所 城南院
飯田 修
大阪警察病院 循環器内科
データセンター
- 畑 陽介
- 関西労災病院 循環器内科
統計解析責任者
- 髙原 充佳
- 大阪大学大学院医学系研究科 糖尿病病態医療学寄附講座講師
研究参加機関および研究責任者
- 畑 陽介
- 関西労災病院 循環器内科
- 曽我 芳光
- 小倉記念病院 循環器内科
- 飛田 一樹
- 湘南鎌倉総合病院 循環器内科
- 藤原 昌彦
- 岸和田徳洲会病院 循環器科
- 椿本 恵則
- 京都第二赤十字病院 循環器内科
- 上月 周
- 大阪府済生会中津病院 循環器内科
- 福永 匡史
- 森之宮病院 循環器内科
- 土井尻 達紀
- 大和成和病院 循環器内科
- 加藤 太門
- 信州大学医学部 循環器内科学
- 末松 延裕
- 福岡県済生会福岡総合病院 循環器内科
- 深井 邦剛
- 近江八幡市立総合医療センター 循環器内科
- 仲間 達也
- 東京ベイ・浦安市川医療センター 循環器内科
- 佐々木 伸也
- 坂総合病院 循環器科
- 鈴木 健之
- 東京都済生会中央病院 循環器内科
- 杉原 充
- 福岡大学病院 循環器内科
- 堀江 和紀
- 仙台厚生病院 循環器内科
- 山内 靖隆
- 総合高津中央病院 心臓血管センター
- 丹 通直
- 時計台記念病院 循環器内科
- 岩田 曜
- 船橋市立医療センター 循環器内科
- 早川 直樹
- 旭中央病院 循環器内科
- 柳内 隆
- 洛和会音羽病院 心臓内科
- 加藤 拓
- 京都第一赤十字病院 循環器内科
- 辛島 詠士
- 下関市立市民病院 循環器内科
- 金子 喜仁
- 春日部中央総合病院 循環器内科
- 木村 雅喜
- 桃仁会病院 循環器内科
- 緒方 健二
- 宮崎市郡医師会病院 循環器内科
- 山岡 輝年
- 松山赤十字病院 血管外科
- 児玉 章朗
- 愛知医科大学附属病院 血管外科
- 金子 健二郎
- 新百合ヶ丘総合病院 血管外科
- 林 典行
- 東邦大学医療センター大橋病院 循環器内科
- 真壁 伸
- 東京蒲田病院 循環器内科
- 岩崎 義弘
- 京都桂病院 心臓血管センター
- 島田 健晋
- 大阪公立大学 循環器内科
- 毛利 晋輔
- 横浜済生会東部病院 循環器内科
- 滝村 英幸
- 総合東京病院 循環器内科
- 舟橋 紗耶華
- 杏林大学 循環器内科
- 竹井 達郎
- 天陽会中央病院 循環器内科
- 飯田 修
- 大阪警察病院 循環器内科
- 髙原 充佳
- 大阪大学大学院医学系研究科 糖尿病病態医療学寄附講座
参考文献
- 1) Norgren L, et al. J Vasc Surg. 2007;45:S5-67.
- 2) Iida O, et al. Circ Cardiovasc Interv. 2017;10:e005531.
- 3) Conte MS, et al. J Vasc Surg. 2019;69:3S-125S.