ご挨拶
第29回日本血管内治療学会学術総会を令和5年6月30日(金)、7月1日(土)の2日間、国際医療福祉大学赤坂キャンパスにて開催させていただきます。副会長は国際医療福祉大学成田病院循環器内科 河村 朗夫 先生、国際医療福祉大学病院 血管外科 墨 誠 先生、国際医療福祉大学成田病院 血管外科 前田 剛志 先生 です。大木理事長をはじめとする理事の皆様や関係各位の暖かいご支援、ご指導を賜り厚く御礼申し上げます。ご参加くださる皆様に心より歓迎の意を表し、ここに一言ご挨拶申し上げます。
この日本血管内治療学会の目的は、異なる4つの専門領域すなわち脳神経外科、循環器科、放射線科そして心臓外科を含めた血管外科系の医療従事者が、世界中に広まった血管内治療をキーワードとして集い、議論し、親交を深めることにあります。その源流は阪神淡路大震災があった平成7年に、先駆的酔眼の持ち主である初代理事長、神戸大学の岡田昌義先生にあります。4領域の先駆者DNAは連綿と受け継がれ、第2代理事長、東京慈恵会医科大学の大木隆生先生のもと社団法人化されました。診療科を超えた議論の場を提供するこの学会は、今後の医療変革に対する学会の役割をまさに具現化しつつあると言えます。このような学会を主催致しますことは、大変光栄であるとともに重責を痛感しております。
第29回の学術総会テーマは、最新のParadigmsすなわち最新治療基準を、診療科を超えて共有すべく“Inspiring New Treatment Paradigms” 、サブタイトルとして変化と多様性への挑戦と致しました。変化を共有することで多様性が生まれるという意味です。ポスターの4人の人影は血管内治療で元気になられた患者さまの象徴であると同時に、手を取り合った4診療科も象徴しています。コロナ禍で様変わりした学会ですが、新たな学会のあり方を私たちは学びました。改めてコロナ禍を皆で乗り越えて未来都市、東京に集おうという気持ちを込めました。
プログラムの特徴は、(1)横断的内容のパネルデイスカッション2つと4科横断的セッション6つ、(2)各科の専門性を深めるシンポジウム8つ、そしてもう一つの重要な柱である(3)一般演題の3本柱を、3会場に分けて組み立てたことです。
(1)パネルデイスカッション1では、コロナ禍を経験して知り得た問題点や新たな診療体制の工夫、展望などを報告頂きます。パネルデイスカッション2ではさらにブラッシュアップされた欧米の最新血管内治療事情を皆様と共有出来ればと考えています。そしてこの学会の特徴である4科横断的セッションではNew Paradigmsとして、特に近年注目を集めているテーマや問題点を取り上げました。各科3Dプリンターの臨床応用、人生100歳時代も見据えたさらなる低侵襲化への工夫、被ばく低減のための工夫、ハイブリッド手術などを取り上げます。もちろん今日の血管内治療をささえる薬剤溶出型技術進化と各種ステント(ステントグラフト)、バルーン進化、ガイドワイヤー、カテーテル、塞栓技術の進化なども十分に議論して頂きます。これらを通じてお互いを知り、高めあって頂く機会になればと考えています。
一方(2)各科の専門性を深める8つのシンポジウムでは循環器内科、脳神経外科、放射線科、心臓血管外科の最先端事情を議論して頂きます。そして(3)の一般演題では、パラメディカルの方々も含めて広く議論頂く予定です。各種共催セミナーも多くのテーマを取り上げて頂きますので、明日からの診療に役立てて頂きたいと思います。
教育セミナーでは画像診断支援としてのAIプラットフォームの展開を、そして特別講演1では世界へ羽ばたく若手医師の育成について、特別講演2ではウクライナ東部戦場で直接医療活動を行ってきた先生から生の報告もお聞きいただく企画を予定しておりますので、ご期待下さい。
少しでも新しい発見がある実り多き学会を目指したいと思っておりますが、それには参加いただく皆様のご支援無くしてはなしえません。可能な限り対面での熱い議論をお願い致します。そして東京も楽しんでいただければと思います。どうぞ2日間よろしくお願いいたします。
東京、赤坂で皆様方の多数の参加をお待ちしております。
第29回日本血管内治療学会学術総会
会長 村上 厚文
国際医療福祉大学医学部 血管外科学
国際医療福祉大学病院 循環器センター血管外科