JSEI2019, 第25回日本血管内治療学会学術総会|The 25th Annual Meeting of the Japanese Society of Endovascular Intervention, -第14回Japan Endovascular Symposium (JES2019)と共同開催-JSEI2019, 第25回日本血管内治療学会学術総会|The 25th Annual Meeting of the Japanese Society of Endovascular Intervention 会期:2019年8月20日(火),21日(水)会場:東京慈恵会医科大学 大学1号館, 会長:大木隆生(東京慈恵会医科大学 外科学講座統括責任者 / 血管外科分野 教授)。第14回Japan Endovascular Symposium (JES2019)と共同開催。

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第25回日本血管内治療学会学術総会 会長挨拶

「次の四半世紀を見据えた学会運営」

大木隆生

第25回 日本血管内治療学会学術総会

会長 大木隆生
東京慈恵会医科大学 外科学講座 統括責任者 / 血管外科分野 教授

(事務局長 原 正幸)

第25回記念・日本血管内治療学会学術総会を2019年8月20日(火)、8月21日(水)に慈恵医大で開催させて頂きます。また、第23回大動脈ステントグラフト研究会も例年通り第2日目の午後に併催します。 さらに、今回は後述する理由で第14 回Japan Endovascular Symposium(JES2019)と共同開催とする事にしました。

まず初めに、本学術総会に約100と多くの演題を各分野からまた全国の先生方からご登録頂いた事に深く感謝を申し上げます。当方が準備しておりました会場でお引き受けできるキャパシティの限界に迫るほどの多くの演題が登録され、活発な議論が期待でき、主催するにあたり身が引き締まる思いでございます。

当会は四半世紀前に岡田昌義理事長の彗眼とリーダーシップにより、血管外科、循環器内科、放射線科、脳神経外科を中心に専門領域の違う医師が一堂に会する貴重な学術集会であり、血管内治療の発展と共に本学会もその役割を担って参りました。 しかし、その後の医療の細分化とともに個々の疾患における治療内容の専門性が高くなり、その結果、各領域に血管内治療に関する学会が立ち上がり、当会が埋没しつつあることは否定できません。 実際、それは昨今の本学術集会の参加者と会員数の伸び悩みを見れば明白で、本学会の「次の四半世紀」は明るいとは言い難いです。

こうした逆境のために過去数年の年次総会は歴代会長の個人的犠牲と多大なご負担で何とか開催・存続して参りましたが今後の持続可能性は懐疑的であります。従っていま必要な事は一度立ち止まり、理事長と毎年の会長の個人的犠牲に依拠せず、また、現在の脆弱な事務局機能(ボランティア事務員一人)を強化し、任意 団体を解散し法人化するなどして健全な体制を構築することです。

こうした状況を念頭に、今回の学術総会テーマは「次の四半世紀を見据えた学会運営」としました。 そして、持続可能な体制を構築する試みとして、慈恵医大で毎年夏に開催し、より集客力があり財政的にも堅調な第14回JES との共同開催とする事としました。 “Japan Endovascular Symposium” は日本語では「日本血管内治療シンポジウム」であり、テーマも参加者も日本血管内治療学会と重なる部分が多いので、共同開催をすることで相乗効果、財政状況の改善と同時に事務局機能の強化が図られ、本学会の継続可能性も向上すると期待されます。本学会の体制が立てなおされ財政的基盤も再構築されるまでの一定期間はこうした「添え木学会」との共催も一つの解決策となるかもしれません。

さらに、この一年余りの間、本学会の今後の四半世紀のあり方を議論して参りました。その初めとして本学会の様々な問題を解決するために理事長諮問委員会である「学会の在り方委員会(以下、在り方委員会)」が2018 年7 月6 日に立ち上がりました。昨年の評議員会で選出された在り方委員会のメンバーは尾崎行男 先生、吉川公彦 先生、古森公浩 先生、坂井信幸 先生、杉本幸司 先生、中村文隆 先生、宮地茂 先生と私でした。そして、この一年で持ち回りを含むおびただしい数の会議を行い議論して参りました。 まずは本学会の存続意義をゼロベースから検討致しました。多くの本会会員はそれぞれの所属領域で既に多くの学会に参加しており、従って本会の継続は働き方改革に逆行するとの意見もありましたが、本学会にはそれを補ってあまりある存在意義があるとの結論に達しました。血管内治療はこれまで各領域で独自に進化を遂げましたが、各々の領域間でのオーバーラップが多い事などを考慮すると相互の交流が必要であり、治療方針などにおいても意見交換が次の時代の血管内治療には必要だと思われます。こうして進むべき路が定まり、最初の問題として浮上したものがこの学会の組織としての脆弱さです。 これまでは岡田昌義先生が未曽有の大災害であった阪神淡路大震災から僅か半年後に第一回学術総会を開催され、その後24年の長きに渡り先頭に立たれ「任意団体」として維持してこれらました。 今後の持続可能性を考えた場合は他の学会に習い、一般社団法人化する事が必要と考えられました。 これに伴い、一般社団法人化の手続きを行うべく、まずは新しい定款の作成に取り掛かりました。この定款の作成に関しては坂井信幸理事を含む多くの先生方のご意見を賜り、おびただしい数の稟議を経て、在り方委員会を中心にまとめさせて頂きました。

在り方委員会が発足してから一年間、このように鋭意準備を進めて参りました。しかし、本学会所属の会員の皆さまに総会において旧任意団体の解散と新団体の設立のご承認頂く事が必要不可欠ですので皆さまにおかれましてはご理解とご協力をお願いする次第です。そして、次の四半世紀に皆様と共に血管内治療について共に研鑽できる事を在り方委員会一同、願っております。

最後になりましたが、阪神淡路大震災の発生直後の苦難の時代から本会に深く御尽力頂いた岡田昌義理事長に深謝すると共に今後の本会のますますの発展に尽力する事をお約束したいと思います。 これまでありがとうございました。 そしてこれからも大所高所からのご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い致します。


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