第60回日本神経眼科学会総会 The 60th Annual Meeting of the Japanese Neuro-Ophthalmology SocietyThe 60th Annual Meeting of the Japanese Neuro-Ophthalmology Society 第60回日本神経眼科学会総会 会期:2022年11月12日(金),12日(土)会場:倉敷市芸文館,会長:三木淳司(川崎医科大学 眼科学1教室)

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ご挨拶

希少疾患からcommon diseaseまで(From rare diseases to common diseases)

川崎医科大学眼科学1教室 三木 淳司

この度、第60回日本神経眼科学会総会を担当させて頂くことになりました。川崎医科大学眼科学教室が神経眼科学会を主催するのは、神経眼科学会国際奨学金の基金名にお名前を残されている先々代の教授の筒井純先生による第14回(1976年)と第21回(1983年)、先代の教授である田淵昭雄先生(現名誉教授)による第39回(2001年)の総会に続いて4回目になります。

会場には倉敷市芸文館を選びました。21年前に田淵教授が第39回神経眼科学会を主催された際にも会場となった施設です。芸文館は、観光地としても名高い倉敷川畔の倉敷美観地区に接する好位置にあり、この学会に現地参加された際には是非、お時間の許す限り、観光も楽しんでいただければと思います。

テーマは「希少疾患からcommon diseaseまで」としました。common diseaseへの対処が重要なことは言うまでもありませんが、神経眼科疾患は実に多岐にわたっており、教科書には記載されているものの、滅多に見かけない疾患も少なからずあります。しかし、稀な疾患でも生命予後にかかわることもあり、稀だからといって軽視してよいものではありません。例えば、重症視神経炎は稀な病気ですが、患者の視機能予後や人生そのものに重大な影響を与えますし、脳動脈瘤による動眼神経麻痺も稀ですが、見逃せない疾患です。希少疾患は個人の経験からだけでは十分に経験できませんので、学会で他施設からの報告を聞き、自分の経験と合わせて学ぶのが効率的と考えられます。

特別講演では、最近、病態が徐々に明らかにされてきている抗MOG抗体関連疾患について、東北医科薬科大学老年神経内科学の中島一郎教授にご講演頂きます。招待講演には瞳孔研究でご高名なTübingen大学眼科のWilhelm先生ご夫妻をお呼びしました。瞳孔検査は他覚的視機能検査として、あるいは自律神経の異常を示す、神経眼科の中でもとりわけ重要な検査ですが、瞳孔研究からも近年、新しい知見が生まれてきています。また、神経眼科学会では質疑応答がさかんに行われる一般口演こそが面白いのではないでしょうか。今回の学会では、まさに「希少疾患からcommon diseaseまで」の一般演題も重視したいと考えておりましたが、幸い、多数の興味深い一般演題(臨床報告・基礎研究)のご応募を頂きました。さらに、例年通り、日本神経眼科学会認定講習会と神経眼科知識評価プログラムテスト、視能訓練士セミナーの開催も予定しております。

この数年で、感染症の感染拡大予防のために学会のあり方が大きく変化してきていますが、新しい時代の学会の良い点も取り入れながら、旧来の学会の良さも生かせるようにしたいと考えております。皆様がこの学会から一つでも多くの知識を得られることを願っております。

第60回日本神経眼科学会総会

会長 三木 淳司

川崎医科大学眼科学1教室


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